Sep, 2015

「京成高砂」京成本線/金町線

京成曳舟駅

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下り線ホームは今年の8月に高架に上がったばかりでピカピカだ

次は京成曳舟駅から押上線の下り電車に乗る。 何せ約1か月前に上下線が高架上に揃ったばかりの真新しいホームだから、どこもピカピカである。 やって来た京急銀様の高砂行きに乗車。 荒川を渡って青砥駅で本線と合流すれば次はもう終点、緩やかにカーブした京成高砂駅のホームに滑り込む。

京成高砂駅ホームより上野方の様子

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上野方は複々線だが、最低限の渡り線しかなくアッサリとしている

京成高砂駅下りホーム

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乗って来た京急車の脇をスカイライナーが通過して行った

高砂は狭い敷地に、地上は2面の島式ホームで4線をさばいている。 スカイライナー退避、緩急接続、本線と北総線の乗り換え、折返し列車の引上げ、車庫の入出庫など大変に忙しい。 しかもホーム端の目前をバスも通る大通りが踏切で横切っているので、非常に目まぐるしいのだ。 以前はこれに金町線も加わっていたのだが、さすがに成田スカイアクセス開業時に手に負えなくなり、高架ホームに移されたという経緯がある。 だから通常は本線が高架ホームで支線は地上から発車というパターンが多いが、ここではそれが逆になっている。

ホーム中央付近

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中央付近でも乗換駅としてはホーム幅が狭く、ラッシュ時は大変そうだ

駅名標、案内板

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乗り場が違うので、ここの駅名標には本線と北総線しか描かれていない

ホーム成田方

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成田方は橋上駅舎と金町線の高架ホームが上空を覆っているため昼でも暗い

列車最後部に乗っていたので降車した場所は一番青砥寄りとなり、前の方にある階段へと向かう。 いつ来ても高砂駅は乗り換え客でごった返しており、狭いホームは歩きにくい。 駅名標には、本線で次駅の小岩や北総線の新柴又が表示されているが、別ホームの金町線は記載されていないのが寂しい。 ちなみに、帝釈人車鉄道を祖として開通した金町線は京成のルーツの一部であり、京急で言えば大師線の様な存在とも言えそうだ。

本線改札内通路

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ホームに比べると、階上の改札内通路は割合とユッタリしている

本線改札口

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混雑する改札口付近。金町線への乗換客は、比率的にどの程度だろうか

階段を登ると京成にしては広い改札内通路、そして前方にはズラリと自動改札機が並んでいる。 その改札を抜けると通路を挟んで向こう側に金町線の改札口が待っている。 そう、ここは駅構造の関係で改札外乗り換えとなるのだ。 もちろん運賃に関しては考慮されていて、30分以内に乗り継げば改札を出ないのと同じ料金となる。 しかしこの駅構造は異端である。 改札外乗り換えも都心の地下鉄等では普通にあるが、地上を走る大手私鉄の同社線同士というのは他でお目にかかった事が無い。

金町線乗り場入口

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本線の改札を出ると、通路を挟んで向こう側に金町線の専用改札がある

金町線改札内から

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金町線ホーム側より望む。手前から金町線改札、改札外通路、本線改札。

その事もあり取材の順番をどうするか少々考えあぐねたが、とりあえず周辺の街歩きは後回しにして金町線のホームへ行ってみようと専用改札を入る。 改札口から金町線の発車する5番線ホームまでは高度差の関係から緩やかな登りスロープとなっている。 乗り場は1面1線で、背後は壁に遮られているため視界が効かないのが残念だ。 ただ一箇所、ホームの一番先端部だけが少し壁が切れており、覗き込むと眼下を往来する色々な電車が俯瞰出来て楽しい。

金町線高架ホーム

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周囲の住宅に配慮してか線路側は目隠し、ホーム背面も壁に覆われている

金町線ホーム先端より

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ホーム先端は外を覗ける唯一の場所。眼下には本線、北総線や高砂車庫が見える

金町行きが到着

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日中は4両編成2本が線内を往復。複線部の片側は本線への連絡用となった

さてホームを見たら駅外の周辺をぶらつきたい所だが、ここで電車に乗らずに改札を出ようとすると、おそらくICカードがエラーになるだろう。 なので、とりあえず金町まで行き、一旦駅の外へ出てから戻って来る事にしよう。 待っていると、高架線を登って静々とホームへやって来たのは、3500形更新車の4両編成。 この顔はいつ見ても、何だかレレレのおじさんを連想してしまう。 途中の柴又駅で交換したもう一本は同じ3500形の未更新車の方で、私としてはそちらの方が好みだ。

金町線高架ホーム外観

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線路際から金町線ホームを見下ろす。本線の地上ホームは左手奥方向になる

金町から戻り、今度は高砂で途中下車して周辺を少し歩いてみた。 ここの名所は何と言っても駅前踏切、そしてそれが開くのを辛抱強く待っているバス通りの車列だろう。 これらはもう高砂の風物詩とも言えるが、踏切を挟んで駅の反対側にはすぐ高砂車庫があるので、そのまま立体交差化するのは難しい。 少し小岩駅より線路南側にある都営団地を重層化して、その敷地に車庫を移すという案もあるようだが、未だ具体化はされていない。

今に歴史を刻む建物

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駅裏手の路地を入るとかなり年代物の建物が。この様子だと建て替え直前か?

駅前踏切と渋滞する車列

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屋根の有る踏切?いいや、高架ホーム下に踏切があるという不思議な光景だ

京成高砂駅北口

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出入り口は何箇所かに分散しており、敷地の関係でそれぞれがコンパクトだ

付近には商店会の看板も出ているが、大型車の通りが多く歩道も狭いので、あまり落ち着いて街歩きの出来る雰囲気ではない。 裏通りに入れば少し良くなるかな?と思って踏み込んでみると、そこはもう商店等なく静かな住宅地の中。 思いがけない路地裏に駅の出入口があったり、かなり古い木造の民家が残されていたりと、なかなか面白い街区ではある。 道の奥遠くを、音もなく白い物が走った!?と思ったら、それは高砂駅のホームを通過するスカイライナーの白いボディなのであった。