2004/02  

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花見川を渡る(向こうはJR)

- 幕張から稲毛へ -

幕張を出た京成電車は、総武線と少し離れた海側を平行に進む。やがて花見川を渡ると検見川駅。花見川は「はなみがわ」だが、無理読みすると「けみがわ」につながらない事もない。検見川の地名と花見川は何らかの由縁があるのだろうか。ちなみにJRの駅の方は「新検見川」で、これは京成の「検見川」の方が先に出来ていたという事を示している。

検見川から次の京成稲毛にかけ、電車は切り通しから一転して小高い築堤上に飛び出し、真っ直ぐに坂道を降りて来る。ここらは窪地が内陸へと大きく切れ込んでいる為だが、太古の昔は湾を成していたのだろうか。築堤が無くなり地上へと降り立った所が京成稲毛、JRの駅とはかなり離れてしまったが、元々はこちらの方が町の中心部に近いようだ。駅自体は非常にコンパクトな最小限の作りで、上りホーム端の駅舎に構内踏切の組み合わせ。但し下りホームにも自動改札機が数台据え付けてあり、直接入構出来る様にもなっている。

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検見川〜京成稲毛

その小さな改札口を出、踏切で一時停止する車列の間を縫うようにして街道を渡り、検見川方面へ段々と高くなる築堤下の側道を行く。見上げる築堤は京成には珍しく直線の長いしっかりしたもので、なかなかに頼もしく見える。その上を、青空と気持ち良く湧き上がる白い雲をバックに、一瞬ステンレスのボディをピカっと煌かせながら上下線の電車が離合する様は、なかなかに小気味よい。

歩いて行くと、途中にこれでもかという程天井の低い架道橋があった。橋台は立派な煉瓦積みで、その歴史が表面に滲み出ている。どうにか頭をつかずに通り抜ける事は出来たが、電車の通過している最中にここを潜るのは、私としては願い下げにしてもらいたい気分だ。


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京成稲毛駅 低い架道橋

駅に戻って次の電車を待つあいだ周囲を観察していたが、どうも下りホーム裏手のロータリーが気になった。駅の改札とはまったく異なる場所にタクシーも客待ちをしているが、改札正面にはとても広場を作る余地など無いから、必然的にこの位置になったのだろうか。対向する上りホームの裏手には梅の花が咲き出していて、もうはや春の気配が漂う。電車を待つ親子のコートがとれる時期も、そろそろかな。向こうの方には松林が見えているが、かつてその背後には東京湾の広大な眺めが広がっていた事だろう。

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稲毛駅ホームにて

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