八王子駅界隈のなもの
- 1996/08 -

 甲武鉄道・玉南電鉄・武蔵中央電鉄... これら全てをご存じのあなたは、相当な「鉄」人だ。 知らない方のために書いておくと、甲武鉄道=現在の中央線(新宿〜八王子)、玉南電鉄=現在の京王線(府中〜八王子)、武蔵中央電鉄=今はなき八王子の市内電車、である。 八王子駅界隈で、これらに関連した鉄道の遺構を探してみた。


-1 甲武鉄道

 そもそも八王子に最初に駅が出来たのは明治22(1889)年。甲武鉄道が新宿と八王子を結んだ。まだ、日本鉄道品川線(現在の山手線)が出来て4年しか経っていない頃だ。 駅の位置は、現在の京王八王子駅のすぐ南あたり。その後、甲府方面から建設が進められて来た官営の中央線と連絡を図るため、駅を移転した。 これが現在の駅の西方約150m、明治34(1901)年のことだ。さらに戦後の昭和27(1952)年、新駅舎の完成に伴って今の位置に移転した。 従って、現在の駅は三代めとなる。

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-2 玉南電鉄

 一方、新宿〜府中間を開業していた京王電気軌道と接続し、府中から八王子までを運行したのが玉南電気鉄道である。 玉南の駅は東八王子。現在の京王八王子駅から、さらに甲州街道方面へ進んだ場所にあった。 その後玉南は京王と合併し、改軌工事により新宿〜東八王子の直通運転が実現した。 昭和38(1963)年には北野寄りに200m移転し、京王八王子駅と改称。平成元(1989)年には地下化されて、こちらも現在は三代めの駅である。

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-3 武蔵中央電鉄

 武蔵中央電鉄は結局八王子の市内電車として終わったが、その計画路線は、八王子から立川・所沢を経て大宮へ至るという長大なものだった。 昭和7(1932)年までに八王子〜高尾橋間が開通し、単線の線路を茶色のボギー車が 8〜16分ヘッドで走ったそうだ。 しかし、京王御陵線の開通、中央線の電化、バスとの競合などの悪条件が重なり、7年後には京王に買収された後、廃止となった。

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-4 大阪窯業専用線

 おまけネタとしてもう一つ。八王子を出てすぐ横浜線から分岐していた大阪窯業八王子工場への専用線がある。 ここはレンガ工場だった様で、昔は鉄道構造物でもレンガはかなり多用されていたので、頻繁に貨物列車が通ったのだろう。 詳細は不明だが、昭和30年代に廃止されたのではないかと思う。

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参考:「八王子のりもの百年史」清水正之著


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