安比奈線(西武新宿線/南大塚)

1994/01 Photo

 西武新宿線の南大塚から延びる安比奈線も、もともと西武の砂利採り線でしたが、砂利採取の終了した 1967 年以来、休止扱いになっています。従って正確に言えばまだ廃線ではなく休止線、地図上にも休止扱いで記載されています。

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 ここへ行ったのはもうだいぶ前になりますが、1994 年の正月です。まず、入間川沿いのサイクリングロードを入間市から下流へ下り、安比奈運動公園へ行きました。ここは、安比奈線からは対岸になりますが、よく見ると川向こうの藪の中に架線柱らしきものが何本か立っています。わくわくしながら橋を渡り、まず、まっすぐに川へ向かって来た安比奈線が川へ添う様にカーブしている地点から探索を始めました。

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 1.吊架線の残る線路跡

 県道から脇の畑の中の細い道を行くと、ほどなく線路敷に出ました。驚いたことに、レールはもちろんの事、架線柱に吊架線まで残っています。なるほど休止線だけあるな、と思いながら河原の方へ向かって行くと、ガ〜ン、道路橋の付け替え工事で、橋脚の一部が線路に侵入して来ています。完璧に建築限界を越えており、これではもう休止が解除になったとしても、この線路に列車は走らせられません。さらに進むと、植木があったりラジコンを飛ばしていたりして、線路敷は色々と(勝手に ^_^;)利用されていました。


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 2.終端部付近

 水道橋の下をくぐると、河原の脇の藪に至ります。線路の脇には錆付いた転轍器標識が突っ立っていたりしてなかなかの雰囲気です。ここらからヤード状に線路は広がっていた様子ですが、藪がひどくなり、レールも見失ってしまいました。細い道がありますが、道幅いっぱいに大きな水たまりがあちこち広がっています。ここは自転車に跨り、ホイールの1/3くらい泥水に浸りながら、ジャブジャブと通過しました。藪の背後に出て河原が見渡せるあたりまで来ると、再びレールが草むらの中に見え隠れする様になりますが、敷地も狭くなり、ここらがどうも終端部だった様です。


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 3.ガーダー橋

 探索を始めたあたりまで引き返して、そこから先、南大塚駅の方へ向かって自転車を押して行きます。立派な上路ガーダー橋があったので下に降りて写真を撮りましたが、そこには窪地しかありませんでした。鉄橋にするほどの場所だったのでしょうか。昔は小川でも流れていたのかな。さらに先に進むと、よく写真で見る風景に出会えました。枯れ葉に埋もれながらどこまでもまっすぐに続く線路、両脇から線路に覆い被さる雑木林、その向こうに広がる日だまりと青い空。その風景の中を、向こうからリュックを背負った親子連れが歩いて来ます。楽しそうな声が雑木林にこだまして、そう言えばここは手軽なハイキングコースとして雑誌にも紹介されたという事を思い出しました。

 線路はゆるい上り勾配で、畑からやがて住宅地の中を行く様になり、その先で国道16号へ突き当たります。もちろん踏切りなどありませんが、レールはそのまま道路に埋め込まれています。そこを越えた先から駅までも、敷地は右に急カーブしながら家々の軒先をかすめてつながっていました。

 その後、駅付近で買い出しをして安比奈運動公園まで一旦引き返し、芝生の広場でお昼を食べました。おだやかな正月の晴れの日、芝生に横になって、しばらくボゥ〜〜〜っと向こう岸の架線柱を眺めつつ、昔日に思いを馳せておりました。


 さて、この休止線は西武の車両基地の入出庫線になるとの噂が昔からありましたが、FTRAIN に寄せられた情報によると、そのまま利用されるのは南大塚駅付近の一部(掘割化)で、問題の河原付近は平行した南側を新規の土地を取得して通す計画らしいです。又、旅客化の話しも残念ながら噂に終わった様です。


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