都県境を行く

~ 東京のギリギリを行くご近所ポタリング ~

連休中は河原でも行って、例により一人クッキングでもしようかと企んでいたのだが、ニュースで多摩川に多くの人が雑踏してBBQなど騒いでいるのを見るにつけ、何だかなぁと気分が萎えてしまった。 東京の人民とあらば遠出するのも憚られるし、じゃぁ都内ギリギリの範囲でもポタリングするかと散歩に出た。 普段は都県境など意識していないが、たまにはそういう走り方も悪くないだろう。 別にお触れに対する当てつけではない。 ただ単純に都県境がどこになるのか興味があったので、それを緩くトレースしてみようというわけだ。

※以下、画像クリックで境界線表示のオンオフが可能


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Point1

うちから一番近い都県境は金子台の茶畑あたりにあり、そこが東京都青梅市と埼玉県入間市の境界線となる。 写真は圏央道青梅インター外周の側道で、自転車を停めた位置右手の敷地から入って来た都県境は、この先この道路に沿って前方へ進む。 道路右手が埼玉県、左手(青梅インター側)が東京都となる。


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Point2

そのまま進むと圏央道本道下を潜り、続けてインター料金所からのランプウェイ下のトンネルが見えて来る。 この先も基本的に道の中央が境界線なので、右手が埼玉県、左手が東京都である。 つまり道路左側を走っている限り、埼玉には侵入していないという事になるわけだ(笑)


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Point3

道路下のトンネルを潜ればインター敷地の外側へ出て丁字路となり、目の前の左右が圏央道に沿った側道、突き当り正面は「たまご倶楽部」の養鶏場(埼玉県入間市)である。 ここで都県境は側道に沿って左クランクするので、ハンドルを左へ。


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Point4

すぐに右折すると未舗装の農道に分け入り、ここからいよいよ風景が開けて茶畑の中を進んで行く。 すると道の左手に何やら特徴のある大樹が...。 何のことはない、このあたりはいつも訪れるお気に入りの散歩コース、武蔵野自転車倶楽部でも時々出て来る場所なのだった。


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Point5

ここで左後方を振り返れば、視線の先にすぐ青梅インターの料金所が見える。 そして、赤い看板の後方にチラリと姿を現している白いものは富士山だ。 連休中で空気が澄んでいるためか、お昼近いこの時間で望めるのは珍しい。


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Point6

その先は電線も無い広い空の下、いい感じにカーブした農道を一人静かに走って行く。 このあたりの茶畑は割と区画整理されていて、道路も升目状になっているが、ここだけ微妙な曲線なのが以前から不思議だった。 その感じが好きで時々通っていたのだが、ここが都県境になっているとは知らなかった。


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Point7

そのまま道なりに進んで行くと、やがて車の往来が激しい車道に突き当たる。 市道幹29号線、近年では「茶どころ通り」という愛称で呼ばれている。 その向こうで境界線は農道を外れて茶畑の中へ入ってしまうので、ここはトレースを諦め、左手へとクランク状にエスケープしよう。


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Point8

左折して茶どころ通りを少し進むと、前方に見えて来るのは、いつもこの通りから青梅IC方面へと茶畑の中を抜ける秘蔵の近道ルート入口。 だが、今日はここはパスしてさらに先へ。


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Point9

するとすぐ右手、対向車線の向こうに茶畑へ入る農道があるので、そちらへと右折。 ここはまだエスケープルート途上だ。 道の行く手は霞川の削った渓谷へ向けて段々と下り出す。 見えている山稜は霞川の対岸側で、その山向こうは埼玉県飯能市となる。


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Point10

丘陵をゆるく下って行くと左カーブの途中で右に入る道があるので、境界線と合流するべくそちらへ。 こう見ると茶畑の結構なエリアが青梅市側にも広がっている事が分かる。 狭山茶生産量の1位は入間市、次いで所沢市で、狭山市が第3位というのは良く知られた話だが、青梅市の栽培面積は全体から見れば微々たるものだろう。


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Point11

右手へ行ってすぐに左折すればエスケープ終了、ここから再び道が都県境となる。 下りきった道の東京都側には何やら白い大きな建物が。 少し道をそれて正門の方へまわってみると、「公共下水道 北部中継ポンプ場」と書かれていた。


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Point12

境界線はポンプ場の手前で小川に沿って90度曲がり一旦離れるが、次の橋で再びこの道に戻って来る。 さらに進めば、周囲の風景は段々と茶畑から静かな住宅地に変わってゆく。


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Point13

左手から都道63号が合流して来ると、ここからこの車道中央が都県境となる。 都道63号は豊岡街道と呼ばれ、東京都青梅市(成木街道入口交差点)と埼玉県入間市(扇町屋交差点)を結ぶ主要地方道である。


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Point14

すぐに一級河川「霞川」を渡る金子橋が現れ、都道は県道となって右にカーブしつつ埼玉の領地へ、それを示す「埼玉県」「入間市」の標識が道路上に掲げられている。 一方で都県境は道路を外れて左手方向へ進み、山稜地帯(八高線が越える金子坂の延長部)へと分け入ってしまうので、ここで本日のトレースは終了とした。 (写真撮影の為一瞬越境w)


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帰路はそのまま霞川沿いを遡上し、今寺天皇塚水田で風にあたりながら少し休憩して帰って来た。 ここ、以前は「れんげ農法」が行なわれていて、花の時期には「れんげ祭り」として一般にも開放されていたのだが、今はれんげもほぼ無くなってしまい少々残念だ。